トレイル

山中湖は湖面自体の標高が980mもあり、富士五湖で一番の高地にあります。富士山にも一番近く東に位置するため、日出時に赤富士・紅富士、日没時にダイヤモンド富士を見ることができます。周囲を傾斜が緩やかな低山に囲まれ、雑木林・原生林・草原・湿地・溶岩台地など、様々な環境があります。年間降雨量も県内で一番多く、希少種も含め、多様な植物が生育しています。このように自然に恵まれた山中湖、トレイルコースも豊富です。


高指山

標高1174m。山中湖の東に位置し、湖畔側はススキの草原に覆われています。山頂からの眺望は素晴らしく、湖と富士山が真正面に望め、眼下に平野の集落が拡がります。かつてはアヤメ科のヒオウギが群生していましたが、シカの食害等でほとんど見られなくなってしまいました。登山道は平野の交差点からパノラマ台方面への県道を進み、エクシブ手前のカーブを曲がらず直進した先に道標があります。

石割山

標高1413m。山中湖の北東に位置し、山中湖には珍しく岩がちな山体です。山頂近くの石割神社には、名前の通り石の字状に割れた巨岩があります。登山道からの眺望はありませんが、山頂からは大平山越しに富士山が望めます。登山口は平野の交差点から道志方面への国道を進み、左手に小さな鳥居がある分岐を進んだところで駐車場になっています。そこから神社の階段を上って行きます。周遊してこの駐車場へ戻ってくることができます。

大平山

標高1296m。山中湖の北に位置し、下部はスギ・ヒノキの植林帯ですが、頂上付近には草原が拡がり、山中湖では一番花が多い山となっています。山頂からは東西に拡がる山中湖とその奥に富士山が望めます。また、山頂には2局のテレビ用アンテナがあり、この山を特徴づけています。登山道は長池の湖畔道路34番を入った先の登山口からが一番近く、石割山から大出山への縦走路、花の都方面への道など、多様なルートがあります。


三国峠〜籠坂峠

山中湖の南に位置する尾根で、三国山〜づな峠〜楢木山〜大洞山〜あざみ平を経由します。最高峰は大洞山の1383m。眺望はありませんが、ブナ・カエデ等の原生林が続き、夏でも涼しく歩きやすい尾根道が続きます。林床に咲く草花も種類が豊富です。スタート・ゴールが離れているので、両方に車を置き、あとで回収に行く必要があります。

明神山

標高1291m。山中湖の南東に位置し、山頂に諏訪明神の奥宮があります。山頂からパノラマ台方面は一面のススキ原になって特徴ある山容を見せています。このススキ草原は毎年春の入会組合による野焼きによって維持され、パノラマ台から山頂に至るまで、富士山~南アルプスを望む素晴らしいパノラマが拡がります。半面、高指山方面への尾根道は深い森に覆われ、趣が一変します。登山道はパノラマ台からが一般的ですが、高指山〜明神山〜三国山の縦走路も歩き甲斐があります。

みさき

みさきは山中湖の東側に突きだした砂嘴(さし)で、風に運ばれた土砂が岬状に堆積した地形です。湖面が上昇すると水没する部分があり、湿地を形成するため、湿地性の植物を見ることが出来ます。また、近くに長池天神社があり、手つかずの自然が残されていることから、湖畔には珍しいブナの原生林や林床の様々な野草を見ることが出来ます。


ハリモミ純林

山中湖の北に位置する森林で、花の都公園の奥、忍野村へ続く道路の両側に拡がっています。この場所は西暦800年、富士山の噴火で流出した鷹丸尾溶岩流上にあたり、このような場所にハリモミが密集した林を形成するのは極めて珍しいことから、昭和38年に国指定の天然記念物となりました。現在はハリモミが衰え、様々な針葉樹・広葉樹の混交林となっていますが、多数のハリモミと林床の様々な野草が見られます。このハリモミ林には許可なしでは入林できませんが、私達は毎年、管理者の許可を得て案内しています。